言語化修行中

観た舞台の感想を書きます。ストプレとダンスが好き。

2022-01-01から1年間の記事一覧

何者かになりたい蟻地獄

キ上の空論「朱の人」村田充さんのこと好きそうな気がするな…と思いながら長年見る機会がなかったんだけど、昨年観た「ロボ・ロボ」のナビゲーターの壊れていく姿がめちゃくちゃよくて、また何か観たいと思っていたら、あらすじが面白そうで観に行った。 弟…

梅棒「おどんろ」にみるケアの可能性

作演出の今人さんがどんなことを考えて作っているかは全然わからないんだけど(今日リピチケ買ってたらパンフ買い損ねた、あと2回行くから次に買う)わたしはこの作品をケアの可能性の物語だと思ったので書き留めておきます。パンフ読んだら修正追記するかも…

あまりにも迷いの森

「奇蹟 miracle one-way ticket」探偵と助手のコンビものと聞いて好きそうだったので観に行った。 びっくりするほど何も褒めてません。 七竈という大分の村にやってきた天才探偵・法水連太郎と、それを追ってきたワトソン役の脊髄神経外科医・楯鉾寸心。法水…

他者の内面を推し量る難しさ

「もはやしずか」感想。「泣くロミオと怒るジュリエット」以来橋本淳さんが気になっていて、加藤拓也さんの作品も面白いと思うので観に行った。 シアタートラムって通常のステージ側にも客席作れるんだな。モデルルームみたいにシンプルできれいな部屋のセッ…

並び立つ個々の物語

第27班「下品なジョン・ドー 笑顔のベティ・ドー 」ムシラセで見た鈴木研さんが良くて、その所属劇団なのと(今回はご本人いないけど)、函波窓さんが昨年の「病室」からゆるく気になっているので観に行った。 すのこみたいな木の板の隙間に照明を取り付けて…

現実をフィクションにすること

オフィスコットーネ「サヨナフ―ピストル連続射殺魔ノリオの青春」全然いいこと書いてません(主に脚本について) この作品は元々永山則夫を知っているかによって受け取り方が違う気がする。前提としてわたしはほぼ知りません(アフトで池下さんが言ってたみ…

かりそめのスーパーマン

劇団スポーツ「怖え劇」 ダルカラのWSに参加したときに内田さんが面白い方だなあと思ったのと、タイトルに興味を持って行った。後から見たけど「ハラスメントコメディ」というキャッチコピーなんですね。 ある劇団の稽古場。主人公の真隈と同期の結木は新人…

愛と憎しみはグラデーション

劇団青年座「横濱短篇ホテル」久しぶりの紀伊國屋ホール。 横浜のある老舗ホテルを舞台に約40年間の出来事を描くオムニバス。高校の演劇部の同級生であるハルコとフミヨというふたりの女性を軸に、各話の登場人物に関係性があり、緩く繋がったストーリーが展…

欠落と過剰の交差が生む奇跡

「アーモンド」神農直隆さんが観たくて行った。本当はAとBを1回ずつ観る予定だったんだけど、前半が中止になってしまって追加できる日がなかったのでBのみ。ユンジェが眞嶋さん、ゴニが長江さん。 舞台の外周に大量の本が散らばっていて、半透明の細長い板が…

とけない、溶けない、解けない

♭FLATTO「とけない」閉館後の水族館を舞台にするという面白い企画。エリア51の神保さんが作演で、先日観た作品がよかったのもあり行ってみた。チケ代はやや高めの1万円だけど、水族館に前もって入れるのでその入場料込みと考えればまあわかる。開演前に大量…

板の上の嘘を真実にする力

「シラノ・ド・ベルジュラック」感想。友達が古川さんを推しているので一度観てみたいと思っていたら、谷さんが訳・演出と聞いて観に行くことにした。わたしはこの作品好きだし、小劇場好きな人は好きなんじゃないかなと思う。普段ミュージカルメインで見て…

同じ月を見ていた

劇団青年座「ある王妃の死」 台詞の聞き取りやすさとかを重視するので青年座の俳優陣の芝居がかなり好みな気がするし、シライケイタさん脚本ということで楽しみにしていたのに、当日会場をシアタートラムと間違えて遅刻した、芸劇だよ!!バカすぎる…本当に…

男が描く男だけの世界

柿喰う客「空鉄砲」 中屋敷さんの演出は「奇子」で観たことあるけど劇団は初見。チラシ見て面白そうだなと思ったら前売は売り切れてたんだけど、チケット譲ってもらえた。 大御所ミステリー作家・網代木冬(あじろぎとう)が風呂場で変死する。第一発見者は…

どこまでならコメディにできるのか

ヨーロッパ企画「九十九龍城」 ヨーロッパ企画は初見。九龍城というモチーフが好きなのと、去年観た「あいつが上手で下手が僕で」が面白かったので観に行った。でも大歳さん別に本公演は関わってなかったんだな(作演が複数いるということをよくわかってなか…

縁もゆかりもない人間の表現を観る理由

モダンスイマーズ「だからビリーは東京で」 TLでよく名前を見かけるのと、今好きになれる劇団を探しているところなので観に行った。 主人公の凛太郎(当パンと台本で郎の字が違うが台本に準拠)は経済学部に通う大学生。今までの人生で何かに熱心に打ち込ん…

極彩色のどろどろな闇

あんよはじょうず。「地獄変をみせてやる-人生失笑(疾走)篇-」 西川康太郎さんが出るのと、宣伝クリエイティブが素敵だったので観に行った。 親に捨てられた美しい少年たちを監禁し、女性ホルモンを投与して成長を止め「神様」として崇めるカルトの村で暮…